風にまかせて~人と自転車が好きになる風輪日記~

50代の目線でロードバイクのトレーニングを通して緩~く書き込みます。

東京2020ロードレース【試走】した日。

はてなインターネット文学賞
「記憶に残っている、あの日」


「オリンピック東京2020大会」が開催中ですが私にはオリンピックに対する特別な思いはそれほどなく、
目と鼻の先で開催されていても何だか遠くの出来事のように感じています。
そんな私ですが、唯一気になった競技が一つだけあります。
それは世界遺産の「富士山」を舞台に繰り広げられた自転車ロードレースです!
東京都府中市からスタートし、神奈川・山梨・静岡の一都三県を跨ぐ国内ではかつてない規模のラインレースで総距離244kmもの区間
地上からの映像に加えヘリでの空影もあり、東京とはまた違う日本の風景の中を各国の代表選手によって6時間にも及ぶまさしく熱いレースでした。

思えばここ数年、コロナ禍になって以来一度も行けてない富士山。
世界中の方々にも日本が誇る富士山の雄大な景色をぜひ見ていただきたかったのですが、
残念ながらレース当日は雲に隠れてその姿はほぼ映ることはありませんでした。
しかし日本は富士山だけではありません!
ライブ配信では日本らしい景色が沢山映って見ていてとても誇らしく、そして嬉しく感じました。
日本でこのような大規模レースが開催される日がくるなんて!!
映像を見ていると自分がその場を自転車で走っているかのような・・そんな錯覚をしてしまうくらい不思議な気持ちになりました。
見ている人が旅した気分になるラインレース、世界中の自転車ファンに日本はどう映ったのか?気になるところです。
オリンピック開催初日にこのような日本の風景を存分に堪能することができる自転車ロードレースをやることで
世界に「日本」という国を広く知っていただくことにも繋がった気がします。



《2019年》7月21日 天候は曇り

 遡ること2年前のこと、2020オリンピック開催に向けて本番一年前のテストイベントが行われました。
テストイベントとは言え、その年の「ツール・ド・フランス」を終えたばかりの名だたる強豪選手が参加すると聞きました!
ならば私も?と早朝に先回りする形でオリンピック自転車ロードレース(男子)本番と同じコースを可能な範囲で試走をしつつ、観戦もする計画を企てました!
まず東京都府中市にあるスタート地「武蔵野の森公園」をスタートし通行できる範囲をトレースする予定。
富士スピードウェイ」と富士山の通行できない部分をカットして明神峠を経由した帰りの「道志みち」辺りで可能なら観戦する感じを想像して当日を待ちました。

〈イベント当日〉
午前3時の夜明け前に自宅を出発。
国道122号線(に沿って)を赤羽方面、都内に入って環八通り、富士見街道、新武蔵境通り、東八通りを経て「武蔵野の森」にとうちゃこです。

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公園入口が分からず時間を無駄にしましたけどなんとかスタート地点で「パシャリ」
公園内は既にイベント一色ですね。

予定より遅くなり朝6時に試走開始です!
厚い雲のおかげで気温が上がらず走り易かったと記憶しています。
(ガーミン調べでは平均気温23℃)
事前にガーミン(サイクルコンピューター)に入れたルートに従い公園を出て東八通りに戻り府中市内を西へ移動。
市街地を通り「大國魂神社」手前を右。

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オリンピック本番のライブ配信では「大國魂神社」境内の参道を選手達がパレードランしていてビックリしました!
境内の石碑や手水鉢の竜の形をした水の吐き出し口をズームアップするという、日本の伝統文化までも紹介するようなカメラワークが印象に残りました。

試走の段階では境内を迂回する形で一般道を進み多磨霊園の脇を通り多摩川に突き当たると目立つ橋が目に入りました。

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是政橋です。

オリンピック本番では約10kmのパレードランが終わりここからがリアルスタート!
コース距離234Kmで高度上昇4865mに及ぶレースの開始となる場所です。

橋を渡ってすぐのコンビニで休憩していると道路を挟んだ向かい側のホテル駐車場に、今日のテストイベントに参加すると思われるJプロのチームカー(ワンボックス)が数台ありました。
ここからスタート地点の武蔵野の森へ行くのでしょうか?

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多摩ニュータウンの中に入ってアップダウンや右左折の多さに難儀していると偶然「サンリオ」のテーマパークを発見!

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寄り道して写真だけw

多摩ニュータウンを出るとサイクリストには有名なトレーニングコースの尾根幹でアップダウンを初体験!
元橋本では八王子バイパス(国道16号線)を横切ったりと道志みちまでは右左折も多く時間がかかってしまいます。

津久井湖から流れる川の谷間に向かって下りすぐ上り返す、二つの橋とZ型に曲がる特徴的なアップダウンの道を通りました。

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(たぶん県道510号線)

オリンピック本番では左奥の道路側面壁に大きなロードバイクピクトグラムが貼られていたのが印象的でした。

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※知人のFBの写真より

津久井湖の南を大きく迂回する形で「青山」の信号を左折して「道志みち」へ
ここからは43km先の「山中湖」まで道なりの一本道です。

オリンピック本番でイギリスのGeraint Thomasが落車したのはこの区間のどこかで、同じ場所で翌日も落車があったというのは残念な事です。

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途中で「富士山」が顔を出していました!

上り基調のアップダウンが続き「山伏峠」のトンネルをピークに山中湖までは少しばかりの下り坂です。

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下り坂の途中でコンビニ休憩をしました。
買ったばかりのパワーメーターが少し前から反応してなかったので電池を買って交換作業をし、補給を摂りながら今後のルートを決めて再スタート!

ここまでで予定よりかなり時間がかかったので「山中湖」は距離の短い時計周りで「篭坂峠」を経由します。

オリンピック本番で選手達はここを二回通る事になっていて補給ポイントにもなってます。
二回目に通る頃には勝負できる人数は限られていると思いますので今更ですが観戦するとすればここかな?と考えていました。

篭坂峠は山中湖からは少ししか上りませんけど、須走までの下りは長いのが特徴です。
前日にはテストイベントの試走なのかポーランドのMichał KwiatkowskiやフランスのRomain Bardetと言った「ツール・ド・フランス」に出るような選手達がまさにこの場所を走っていたらしく、感慨深い気持ちで上りました。
今回の東京大会ではコロナによる延期で代表選手も様変わりしたようで 残念ながらBardetの出場はなく、Kwiatkowskiは大健闘の11位だったようです!!

長い下りの突き当たり「須走」を左へ
更に下り小山町の中を抜けると

富士霊園前
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富士スピードウェイはもちろん走行NG!
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富士スピードウェイから明神峠の区間は予定外の工事迂回でルートを外れ、無駄な上り返しを強いられました。
そしていよいよ明神峠入口に到着というところで入口付近に人が立っているのが見えました。
なんとなく嫌な予感!
ガードマンが手に持った赤い棒を振りながら停止を求めているようです。
話を聞くと既に通行止めになってしまったとの事。
時間はたしか正午を回ったところで選手達はスタートして1時間経ったばかりのはず。
ここを通って帰る予定だったので、通行止めがこんなにも早くに行われるとは想定外でした!
来た道を戻るにしてもどこも既に通行止めのはずだし、観戦するにしても三時間くらい待たないといけません。
戻りしな「道志みち」の途中で解除を待つ間ならとは思ってましたけど、長時間待ってまで観戦する気はありません。
どちらかと言えば明神峠を一度上りたかったのが本心だったような気がして観戦はあっさり諦めました!

〈オリンピックコースを離脱。〉

明神峠が駄目なら「ヤビツ峠」があると南に進路を変え更に坂を下り続けると国道246号線に出ました!
しかしなんとなく様子が違う?
突き当たった区間は自転車等の侵入禁止でした!
目の前にある国道246への合流を諦め
もう少し戻り回り道して旧道らしいところを経由して走り246と合流できました。
246は大型トラック等、交通量が多く走り辛いうえトンネルも多いので緊張しきり。
途中で抜かれた年輩ローディさんに信号で話しかけてヤビツ入口まで走り易い迂回路をエスコートしていただきました!
ソロライドをしていると、その先々で出会った方と途中までご一緒させていただくといった事も少なくないので
自転車ならではのこういう出会いの瞬間が私は好きです。
赤信号のタイミングで少し話したところ
足柄峠」という激坂を上り終えて厚木まで帰るとの事。
ヤビツ峠入口のコンビニでコーヒーをご馳走したいと申し出ましたけど、帰路を急がれているようでそのままお別れとなりましたが
おかげで迷うことなく「ヤビツ入口」に到着しました。

ということで一人でコンビニ補給をしてからの初「ヤビツ峠」登坂開始です!
正確な計測区間は知りませんけどTTをやる程の脚力など残ってはいませんのでサイクリングペースです。
前中盤は少し勾配がキツめの峠道をゆっくりと途中の展望台に寄り眺望を楽しみながら上りました。

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後半は緩めの勾配が続いてついに!

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よく見る看板が!

疲弊した脚でもペダルを回し続ければいつかは着くと思ってよろよろと成し遂げました!
最初の目的からはズレましたけど同レベルな峠を上る事ができて大満足です。

峠の売店で赤コカ・コーラを飲んだその後は
川口の自宅へ帰るのが最大の目的です。
246に戻る手もありますが頭の中でおぼろげに「裏ヤビツ」→「宮ヶ瀬湖」→往路に戻るイメージが既にできていました!

裏ヤビツの長い下りを終えて「宮ヶ瀬湖

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宮ヶ瀬湖」では何を食べたか忘れましたけどしっかりと補給休憩してから出発。

渋滞で有名な「橋本」を越えて「尾根幹」に入ると、往路とは違って一本の道なりに「新武蔵境通り」「東伏見通り」と名前だけが変わります。
新青梅街道」を右へ行くと「富士見街道」を左「環八通り」を左「R122」を左で「新荒川大橋」と「尾根幹」でスイッチが入り最後までなかなかの強度でこれました!
私的には珍しくペース配分や補給が上手くいったんでしょうかね~w

新荒川大橋から見慣れた街を見て安堵します。

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※「川口市」に到着です!

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走行距離 285km
獲得標高 3127m
走行時間 12時間31分
経過時間 17時間14分
TSS    392

年に一度はこのような自転車旅的な事をしていましたけど、このコロナ禍になり
それも満足にできていないのが現状です!
ゆえにこれが私にとって
「記憶に残っている、あの日」
そしてその中で今年開催されている
東京2020」大会は
世界中の人々にとっての「記憶に残る大会」となり、
願わくば良い意味で
後世、人々の心に刻まれるものとなって欲しいです。


服装や装備はこちら
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緊急時用に輪行袋と観戦用に簡易椅子をバックパックに入れて行く程の念を入れていましたが無用の重り(いや、お守り)でしたw

一日も早く気軽に県を跨いだ自転車旅ができる日が来る事を願います。

合掌

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